くびの病気について
首に痛みやしこりを感じるときは、リンパ節や唾液腺、甲状腺などの炎症や腫瘍が原因となることがあります。その中には悪性腫瘍(がんや悪性リンパ腫)が存在する場合もあります。これらに対しては超音波検査(エコー)やCT、MRI等の画像検査、細胞診検査、組織検査を行い、診断して治療をしていきます。
当院ではくびの病気に対して検査できる環境がないですが、診察して必要があれば近隣の病院へ紹介します。
甲状腺の病気について
甲状腺は頸部前面の下部(のどぼとけの下)に位置し、甲状腺ホルモンを産生する内分泌臓器です。
甲状腺ホルモンに異常が生じる病気(甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症)や甲状腺組織内に腫瘍ができる病気があります。
ホルモンの異常のみであれば、ホルモン管理のために内科(内分泌内科)へ紹介します。
甲状腺腫瘍があれば詳しく検査可能な病院の耳鼻咽喉科へ紹介します。
唾液腺の病気について
唾液腺は唾液(つば)を作る器官で、耳下腺、顎下腺、舌下腺があります。ここで作られた唾液は管を通じて口腔内に流出します。
唾石によって唾液の流れが悪くなり唾液腺が腫れる唾石症や、ウイルス感染である流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)は対症療法がメインとなりますが、唾液腺腫瘍の場合には画像検査や組織検査等が必要となりますので、その場合は近隣の総合病院を紹介いたします。
リンパ節の病気
リンパ節
リンパ液が流れるリンパ管に存在しています。有害物質を除去する役割をしており、リンパ節でリンパ液中の細菌やウイルス、がん細胞、異物等は捕らえられます。全身に400~600個存在しており、くびのリンパ節は皮膚表面近くにあるため変化に気付きやすいです。
リンパ節が腫れる場合、風邪や急性扁桃炎など感染症がきっかけとなっていることがほとんどです。原因となる病気の治療をすることで、リンパ節の腫れも改善していきます。
注意が必要なものは、リンパ自体のがんである悪性リンパ腫、他の部位のがんが転移したリンパ節転移です。固く、動かない、痛みが少ないという特徴がありますが、初期はよくあるリンパ節の腫れとの区別が難しいです。このようなリンパ節が疑われた場合には詳しい検査が必要となるため、近隣の総合病院へ紹介いたします。
その他の病気
頸部嚢胞
嚢胞(のうほう)という液体の入った袋状のできものができることがあります。
正中頸嚢胞、側頸嚢胞、がま腫、リンパ管腫など様々な病気があります。
サイズが小さく外見上、日常生活上に支障がなく、炎症を起こすことがなければ治療をする必要はありませんが、大きくなってきたなど支障がある場合には治療の適応となります。
治療は手術による切除が多く選択されます。